エステ効果~音楽療法1/fゆらぎ 光と音~
エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
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エステ効果~音楽療法1/fゆらぎ 光と音~
35年以前に成りますが、エステティックサロンにおいて、エステティシャンの施術が「いかに深いリラクゼーションをお客様に提供しているか」を一般ユーザーにお伝えできれば、エステ業界の発展・拡大につながる鍵だと考え、エステティシャン及びサロン作りなどを手掛ける我々業界関係者の間で、色々な試みや研究・検討がなされました。
リラクゼーション効果
マッサージ手技
勿論、エステティシャンの手技が一番研究対象になりました。
マッサージの施術前後に脳波を測定し、β波、α波の状況を比べました。
ご存知のように、不安やストレス、恐怖感や憂鬱状況があるとβ波が多く発生し、気持ちが安静状態、いわゆるリラックスしている時はα波が多く発生します。
そこで、どうすればα波を多く発生させることが出来るか・・・
その二つの波長を目標の目安にして、トリートメント内容からサロンの環境作りまで研究した時期でした。
その中で、大きな二つのサロン環境テーマと出会いました。
照明
一つはサロンの『照明』でした。
それまでのサロンでは、スイッチを着けたり消したりの時代でした。
今でこそ当たり前のことですが「調光装置」がサロンには普及しておらず、お客様へのマッサージが始まると電気を消すといった流れでした。
又、蛍光灯など直接照明がトリートメント・キャビンの主でしたが、我々はなるべく直接照明を避け、間接照明を主体とし、いかに神秘的に柔らかく演出することを内装業者と模索したものです。
お客様がベッドで仰向けになった時に見える景色を考え、天井の中央にホリゾンを作り、渕の周辺に見えないように隠して照明器具を取り付け又、収納家具や壁の上部にも見えないように間接照明を配置したものです。
勿論、カウンセリングでの視診もあるので、お客様のまぶしくないところにスポットライトなどは設置していました。
音楽
次に重要視したのが『音』です。
外からの騒音や隣からのしゃべり声が届かなくするために、個室化を目指しました。
しかし、現在もそうですが消防法の絡みと空調の関係で、天井までふさげない規制もあり、カウンセリングルームとの間仕切りなどで苦労したのを覚えています。
そして、そこに流す『音楽』に拘りました。
まだまだ環境音楽などのDVDもなく、部屋ごとにテープデッキを置いたり、ラジカセなどをベッドの下に置いて、お客様の年代や季節・施術内容によって音楽を変えたものです。
(テープデッキやラジカセなど、ご存じでない方もいらっしゃるでしょうね)
エステティックサロンでのリラクゼーション効果をより高める方法を模索
一般ユーザーに、そのことを科学的に証明し伝えたいと、弊社も考えていました。
そこで着目したのが「音楽療法」(Music therapy)でした。
音楽療法
音楽療法とは、「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持・改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的に計画的に使用すること」を言います。
ですから、気持ちが安らぐ音楽やメロディーを、サロンのBGMとして紹介し推奨しました。
更に、弊社(株)サンクとしては、医学的・科学的な裏付けが欲しかったので
『1/fゆらぎ』を提案しました。
1/fゆらぎ
『1/fゆらぎ』とは、パワー(スペクトル密度)が周波数fに反比例するゆらぎのことです。
ただし、fは0より大きい、有限な範囲をとるものとする。
難しすぎて分からないですよね・・・
具体的に説明すると、「ピンクノイズ」という音が有ります。
ピンクノイズは1/fゆらぎをもつノイズで、自然現象において見ることが出来ます。
ピンクノイズ例:人の心拍の間隔、電車の揺れ、小川のせせらぐ音、目の動き方、ろうそくの炎の揺れ方、木漏れ日、蛍の光り方などが挙げられます。
「1/fゆらぎ」に関する国際シンポジュームが40年前からあり、その中で何故「やすらぐ」かが医学的に説明されています。
生物に与える効果:生体のニューロン(神経細胞)が生体信号として電気パルス(電気信号)を発射しており、細胞の発射間隔を調べたところ、その間隔が1/fゆらぎをしていることが発見されている。
そのことから、生体のリズムは基本的には1/fゆらぎをしていると分かり、この1/fゆらぎは快適性と関係があることが判明しています。
人間の生態は五感を通して外界から1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、精神を安定し、活力が湧くと考えられています。
これらのエビデンス(科学的根拠)に基づき、1/fゆらぎをもつ自然界の音、例えば静かに打ち寄せる波の音などを選びトリートメント時に流しました。
トリートメント環境を演出
究極だったのは、フェイシャル・トリートメント90分を想定し、お客様がベッドに横たわると「夕暮れ」のごとく徐々に照明が暗くなり、オーケストラが奏でる鳥の鳴き声や森の息吹が静かに暮れて行きます。
クレンジングが始まり、マッサージが始まる頃は室内も暗くなり、音楽も深々とした夜の森を醸し出しています。
マスクを外す時に成りました。
音楽は早朝の草花が芽生え、小鳥たちが囀り始めます。
室内も徐々に朝の光がさすように明るくなって行きます。
音楽は躍動しだします。
施術は最後のスキンアップを迎え、お客様は爽やかに目覚めを味わいます。
こんな演出を実際に時間とにらめっこをして制作しました。
エステティックがいかに心と身体を癒してくれる効果があるということを、一般の方々に必死で伝えようとした時代のお話です。
業界が一丸となって、エステティックをメジャーにしたいと望んでいました。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』
まとめ
エステティックサロンに来られたお客様が、いかに深くリラックスされるかを色々な面から検証し、工夫を重ねていたエステティックの開花時代(1980年代)
エステティシャンの手技は基より、サロンの「照明」そして「音」にも注意を払いました。
特に音楽療法『1/fゆらぎ』に着目し、キャビンに流す音楽に拘った時代でもあります。
エステサロンでの「照明」や「音楽」に関してご質問のある方は、下記までご連絡下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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