Health&Beauty滞在型エステティックとSPA

ヨーロッパの滞在型エステ&SPA

 

エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>

Health&Beauty滞在型エステティックとSPA

一定期間滞在しながら、「美と健康」に特化した滞在型エステティック施設が、ヨーロッパには数多く見られます。

ヘルスファーム、ビューティーファーム

フランスやイギリスなどヨーロッパにに多く見られる滞在型エステティック。

施設は、今でこそSPAと呼ばれていますが、古くは(1990年代以前)Health

farm又はBeautyfarmと呼ばれ、当時バカンスが日常的に定着し始めて

いた女性達に人気を集めていました。

特に美と健康に強い関心を持つ人々に、年に1~2度目的をもって過ごす保

養施設(destination・spa)として高い評価を受けておりました。

 

ではここ、山林に位置する施設と海辺で展開する施設を、一つずつご紹介

したいと思います。

山林の中のSPA

ロンドン近郊にある滞在型エステのメイン棟全景

ロンドン近郊にある滞在型エステ《GRAYSHOTT HALL》

GRAYSHOTT HALL

英国ロンドンのヒースロー空港から車で2時間程、サリー州にある「GRAYSHOTT HALL」のHealth farmをご紹介致しましょう。

先ず利用したいと思ったお客様が施設に予約を入れますと、早速に問診表が自宅に送られてきます。

それに今回の滞在目的やご自身の健康状態、美容と健康に関する悩み、そして生活習慣

などを記入して事前に返送します。

・・・さて、Check in・・・

約80エーカー(日本でいうと約10万坪)ほどの敷地に、30室ほどの宿泊棟

を有する荘園(だからHALLなのですが)の中の古城といった建物が、林の中に

忽然と現れて来ます。

滞在型エステのフロント・ロビー風景

《GRAYSHOTT HALL》フロント・ロビー

チェックインはアンティークな客間で、一人ずつ行われます。

その後で宿泊マネージャー・エステティシャン・フィジカルトレーナー、ドク

ター、更に日本の栄養士みたいなフードコントロールアドバイザー達とオリエ

ンテーションが行われ、フィジカルチェック・メディカルチェックを経て、滞

在中の施術やトレーニングメニューなど滞在目的に沿っての内容と方向が、具

体的に構築されて行きます。

有機野菜を中心とした食事メニュー写真

敷地内で栽培される有機野菜を中心とした食事メニュー

食事もヘビーダイエットルームライトダイエットルームが有り、目標により

利用施設が異なってきます。

料理は、敷地内で有機栽培された野菜や健全な飼料で飼育された鳥や羊が中心

で、どの料理も1スプーン10Kcalとなるように作られているのです。

勿論デザートなど甘いものもあります。

そして、個人によって朝・昼・夜の食事のスプーン数が決められます。

その代わり、何を食べても良いという訳です。

甘いものや脂っこいものはダメだと規制すると、かえってストレスが発生し効

果に悪影響を及ぼすからです。

又、スプーン数があまりにも違う人が一緒に食事をするとやはりストレスに成

ることも有るので、部屋を二つに分けているのです。

同じような目的を持った者同士は励ましあって、仲良くコミュニケーションが

生まれて来ます。

施設内は全て禁酒禁煙です。

そして、スケジュールに沿った滞在生活がスタートします。

残念ながら日本では未だこのようなシステムの滞在施設は存在していません。

 

1日の施術コース事例

8時起床 ⇒ 森林浴を浴びながらの朝の散歩 ⇒ Breakfast40スプーン

エステティシャンによる低周波を使用した筋肉を目覚めさせる施術 ⇒ エステ

ティシャンによる脂肪燃焼し易い身体環境作りの施術 ⇒ フィジカルトレー

ナーによる筋肉負荷トレーニング 有酸素運動(個人) ⇒ Lunch60スプー

⇒ (自由時間) ⇒ プールにてグループエクササイズ(団体) ⇒ (自由行動~ゴ

ルフ・テニス・読書) ⇒ Dinner30スプーン⇒自由時間(メイクレッスンや

子育て講習などカルチャー教室も開催されている)⇒ 各自のお部屋でミニマ

ッサージ&ハーバルラップ ⇒ 就寝・・こんな流れで一日が過ぎて行きます。

 

平均滞在日数は1~2週間が一番多く、毎年利用するというリピーターさんも多

く、中にはジェットラグを取るために1dayで空港から直行して来るお客様も

いらっしゃいます。

 

海辺のSPA

海辺の滞在型エステの休憩ラウンジ風景

フランス・ブルターニュにある《THALGO LA BAULE》のラウンジ

二つ目は海辺のBeauty farmです。

フランスの場合は北西部に位置するブルターニュ地方、スペインと接するバス

ク地方、そして地中海沿岸のコート・ダジュールなどに多く見られます。

これら地域に存在する理由は、海水の質(海に流れ込む川の上流には広葉樹が

茂り、腐葉土のお蔭でミネラル分の多い水が海に流れ込み、その中で上手に食物連鎖

が行われている)、海藻、海泥、そして塩田を超えてくる風など気候全般

も含めた、取り巻く環境によって限定されています。

多くは昔から、小児喘息や栄養失調の子供たちの湯治場でもあった所に多く見

られます。

 

1899年ころからなどタラソテラピー(海洋療法)センターとして増え始め、

1980年代後半にはヨーロパ全土で35か所ほどのHealth farm 又はBeauty

farmとしてのタラソテラピーセンターが誕生しています。

フランス・ブルターニュにあるタラソテラピーセンター全景

タラソテラピーをメソッドとしたBeauty farm《THALGO LA BAULE》

THALGO LA BAULE

その一つ、ブルターニュ地方「THALGO LA BAULE」についてお話したいと

います。

ここも、古くは子供の栄養失調や小児喘息の湯治場として利用されていた

「L’HOTEL ROYAL」の敷地内に、近代的なタラソテラピーのメソッドを擁

した施設が1989年開設され、パリを中心に各地から男女問わず多くの利用者

が集まって来ました。

 

先ずはホテルにCheck inして、内廊下を経てセンターのフロントに再度チ

ェックインをします。

ここでカウンセリングを受け、目的に合わせた30分刻みのトリートメント・

スケジュールが設定されます。

その一日の施術表が着替えたガウン(中は水着)の胸に、パウチして提示されま

す。

 

そして、最初の施術ルームに案内されます。

タラソテラピーのメソッドに沿ったBeauty farm一日コース事例

ジェットバス

手動・自動可能なジェットバス

最初にジェットバスに案内され30分の水浴療法(Balneotherapi)気泡噴射欲を受けます ⇒ <セラピストが胸の

パウチを見て次の施設に案内してくれます> ⇒ ジェットシャワーで、更に全身に刺激を与える水利(治)療法

(Hydorotherapie) ⇒ アフュージョンシャワーの付いたベッドに寝かされ、温めた海藻を全身に塗布 海藻療法

(Algotherapie) ⇒ 30分の休憩でミネラルウオーターかハーブティーを1L与えられ、出来るだけ飲むように指示

されたれます~そして排尿 ⇒ 昼食 ⇒サンルームで日光浴療法(Bronzagetherapie) ⇒ 海水中の噴射プールで海

水中のエクササイズ・海水中で体を浮かせながらのリラクゼーション団体水利(治)療法 ⇒ 30分の休憩でミネラ

ルウオーターかハーブティー1L~そして排尿エステティシャンによるボディマッサージ ⇒ 自由時間 ⇒ 夜食

海水のジェット噴射付きプール

海から直接引き込んだ海水のジェット噴射付きプール

翌日は泥浴療法(Fangotherapie)やキネジストによる指圧、水治療士の指導で

オーターエクササイズなどが組まれ、2~3の施術の間に又、1Lのミネラルウオ

ーターかハーブティーを飲むように指示されます。

徹底的に体内浄化を繰り返し、そして血流を促すことを意図とした施術も繰り

返されます。

一つ面白かったのが携わるスタッフのユニフォームに、色々な国の国旗が刺繍

されています。

どういう事かというと、付いている国旗の言語は話せるという事を伝えている

のです。

良いアイデアですね~それだけ国外からもお客様が来ているという事です。

最近はビューティー目的以外に、これらの新陳代謝を活発にするメソッドを

鑑みて、煙草をやめる為の禁煙コースなども人気を集めています。

DAY SPA

林間エリアと海辺での滞在型エステ施設をご紹介しましたが、これらのHeal

th farmやBeauty farmが1991年湾岸戦争勃発とともに超肥満が社会問題と

なったアメリカ合衆国に渡り、Fat farmとして展開されます。

しかし、断食道場みたいに厳し過ぎて一般からは支持を得られませんでした。

そしてそれが形を変えて、後のDay SPAへと変貌を遂げていくのです。

まとめ

エステティックの一つの在り方として「滞在型エステ施設」が、我が国でも本格的に始まる時代がすぐそこまで来ています。

これに関してのプランニング、オペレーション、技術やメニューなど、もっとお知りに成りたい方は、下記までご連絡下さい。

エステティック総合商社 株式会社サンク
         代表取締役会長 清水收一

1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。

『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。

主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)

ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)

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