エステ業界今後、エステティシャンに一言!
エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
エステ業界今後、エステティシャンに一言!
『エステサロン風評』では、エステサロンでは行ってはいけない施術行為を、消費者や利用者が簡単に鵜吞みにしてサロンに通い、そのサロンを「質が高い」と評価している話を致しました。
その間違った認識が、エステ業界にとってはマイナスに働くということをお伝えし、ご利用頂くお客様にももっと「エステティック」に関する知識を勉強して欲しいと、発言致しました。
今回は、携わるエステティシャン又、エステサロン経営者に、エステ業界の今後について私が気に成っていることをお話致します。
エステティック関連法規
エステティックは「医師法」「薬機法」や「特定商取引法」「不当景品及び不当表示法」などで、施術及び契約・告知等に関して多くの規制を受けています。
国家資格
日本に於いてエステティックは、フランスなど欧州諸国(韓国も近年、国家資格に・・アメリカは州による資格制度)での国家資格などとは違い、国家資格にはなっていません。
(監督官庁も指定されていないのが現状です)
ですから治療行為は勿論出来ませんし、「改善」「治療」という言葉も使えません。
「効果・効能」も具体的に、告知、表現・表示をすることは出来ません(優良誤認)
勿論、「使用前使用後」も。
しかし、サロンの集客広告のみならず、エステティシャン向け講習・セミナーにも、「効果・効能」を謳うものが、昨今また、増えてきています。
恐らく、効果・効能を謳い、お客様にコンプレックスを煽ることで、サロンでの新規集客や売上の向上が可能となると提案し、講習人数を集めているのだと思います。
「四十肩・五十肩」や「冷え性」「脂肪やセルライト」「腸内環境」更には、「病気予備軍に繋がる障害」を改善などといった、治療・改善手技や施術を謳っているものが多いようです。
我が国のエステティックは、国が免許を交付している『治療目的の施術行為』ではありません。
『ビューティー』に特化した『老化予防管理技術』であり、関連法規にもあるように「治療」や「改善」を目的とした施術行為及び表現はしてはならないと明記しています。
しかしながら、他店との差別化や、自分のサロンだけが売上が上がれば良いと考えているのか、お客様のコンプレックスを煽り、あたかも自分の処だけが「改善」を可能にするがごとくのサロン広告が、何度も言いますが最近、本当に目立ってきています。
又、それを学ぶための講習・セミナーも多く見受けられます。
その技術やメソッド教育は、エステ業界に持ち込むのではなく、国で定めた治療業界や国家資格者へのセミナーにて開催して欲しいと思います。
フランスでも、治療行為である施術は「キネジスト」の資格免許が必要であり、エステの国家資格であるC.A.PやB.T.S.資格者に治療行為は認められていません。
治療目的でのメディカル及びパラメディカルサロンは、医療従事資格者が行うか、医療従事資格者の立ち合いが義務付けられています。
フランスのエステティックの歴史を見ると、エステティックは「ビューティー」の観点に特化し、化粧品を使用し、ホームケアを中心とした『老化予防管理技術』と、生活習慣や食生活のアドバイスなどカウンセリングを重視したホームケア指導によるサロン活動が全てと成っています。
エステティシャンと治療家との境界線
フランスでも治療行為が必要な場合は、「キネジスト」や「水治療士」など、有資格者を雇用しています。
それぞれの資格に境界線が決められ、互いにその範疇を尊重し合い、ボーダーラインを侵食しないことで、それぞれの業界の秩序を守っています。
お客様もそれを理解し、ご自分の症状や目的に合わせて、通院するサロンや治療院を選択しています。
例えばフランスでも、美容師とエステティシャンのヘッドケアに対する施術では、髪の毛に関しては美容免許保持者、頭皮に関してはエステティシャンが施術し、エステティシャンは髪の毛には携わってはいけないと定められています。
もう一度お伝えしますが、ヨーロッパなどではそれぞれの分野を尊重することで、ビジネスにおける業界の境界線が守られ、お互いがお互いの分野を認め合う事で存続しています。
社会に求められる、エステティック
私が学んだ頃のフランスでのエステティック定義では、『より健康でより美しくある為の、医学・科学の理論に基づいた、コアフュール(頭髪造形)を除く、全身性の積極的な美容手当』と教えています。
医学・科学理論で証明された、美容に特化した矛盾のない積極的な全身性の手当と明記しています。
日本では、自分の処の新規集客や売上アップにばかり目を奪われ過ぎて、他の業界とも共存共栄しながら、「美と健康」ビジネスの一つのジャンルとして育てて行くという事を忘れているような気がします。
エステティックは『外面を美しくすることで、内面が強くなる』ことが、最大のポイントです。
そして、Q.O.L.を高めることで、お客様の人生を豊かにすることこそ、エステティシャンの一番の役割です。
日本の現行法を遵守し、その枠の中でどれだけ質の高いものをお客様に提供できるかをエステティシャンは競い合い、お客様を惑わすような広告表示・表現での集客方法は慎んで頂きたいと思います。
それが結果、エステティック業界の健全な発展に繋がることだと、私は考えています。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』
・・・私の45年の思いです。
まとめ
『美と健康』の健康という言葉を利用して、「改善」「効果」「効能」で集客し、高額チケットを販売するケースが昨今、多く目に付きます。
そして、それを指導するセミナーや化粧品・機器が増えてきているように感じます。
エステティックは、『ビューティー』に特化した「老化予防管理技術」であり、トリートメントケアです。
「柔道整復師による治療」や「理学療法」「あはき法」などの治療分野と、施術における告知・表現を正しく棲み分けして、お客様に伝えて行かなければならないと考えます。
それぞれの境界線を遵守することが大切だと思います。
サロンでのメニューや施術内容でご質問の有る方は、下記までお対合わせ下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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