エステカウンセリング、流れとコツ 理論と実践

エステサロンでのカウンセリング風景

エステティックに携わって40年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>

 

エステ カウンセリング理論と実践

最近、エステティシャンの方々とお会いすると必ずと言ってよいほど多く相談されるのが『カウンセリングが上手く出来ない‥』『カウンセリングって、難しい‥』『カウンセリングの基本を教えて下さい』など・・・です。

 

カウンセリングが上手く出来ない

理由としては、「以前のように、エステティシャンが話す事、経験などを素直に信じて貰えない・・・

ネットなどでの検索情報が身近にあり、情報過多で、お客様の自己判断意識が強く成っている・・・

 

だから、結果<使用前/使用後の写真>などに頼るようになってしまう。

 

勿論<使用前/使用後の写真>は優良誤認の観点から禁止されているのは分かっているのですが…

 

医療機関は、検査データが提示できるので、情報過多の患者さんでも、又若い医師が担当しても、取り敢えず診断内容は受け止めて貰えます。

しかし、エステサロンでは個人の具体的なデータ提示は現実に無理ですし、結果メーカーなどの受け売りや、エステティシャン自身の経験値がカウンセリング会話の中心となるのが現実です。

 

では、どうしたら信じて貰えるのか、どのような話術や話の持って行き方が有効なのかなど、具体的に解説いたします。

 

心理療法における、カウンセリングの基礎知識と進め方

先ず最初に心理療法としてカウンセリングを行っている、専門の『カウンセラー』が学ぶ基礎知識と進め方をお話し致します。

 

カウンセリングする医師

心理療法でのカウンセリング

心理療法

心理療法を行う『カウンセラー』は、カウンセリングを通して心理的な問題を解決し、精神面の健康を増進させていきます。

特にコミュニケーションを通して、クライアント(相談者)が自ら問題を解決できるように援助します。

最近では、具体的指示を与えないカウンセリング方式「来談者中心法」など200を超える理論や方法があると言われています。

 

カウンセリングの心理的原則

クライアントが抱える問題に対し様々な「気づき」をもたらし、自己を理解させることから始まります。

ポイントと手順

  • 傾 聴:カウンセラーは先入観にとらわれず、相手の話にじっくりと耳を傾けます。

話の内容とその背後にある感情を心で受け止めて理解することが、最初の大切なプロセスです。

 

  • 受 容:内容についての評価をせず、相手の話を無条件に受け入れるカウンセラーの受容的な姿勢が、クライアントの不安な気持ちを和らげ、ここから信頼の「蕾」が生まれます。

 

  • 共 感:クライアントの経験や感情を正確に受け止め、カウンセラー自身が同じように感じ、理解することです。

共感的な態度は、クライアントにとって「気持ちを充分に理解してもらった」という気持ちに繋がります。

 

  • 浄 化:クライアントは傾聴・受容・共感というステップを通じて、カウンセラーに受け止めて貰っていると感じ、緊張や不安など抑えていた感情が次第に解放され、スッキリとした気分になりリラックス感に繋がります。

これを『浄化(カタルシス)』と言います。

 

  • 気づき:精神的な浄化がなされて初めて、クライアントは悩みや問題に対して、自分なりの解決方法やカウンセラーの指導・アドバイスを率直に受け止めて行きます。

そして、自身の新たな変化を期待しだします。

医師による問診風景

心理療法医師によるカウンセリング

この『カウンセラー』を『エシテティシャン』に置き換えて、ご自身がお客様

にカウンセリングを進めて行く時と比べて見て下さい。

 

 

ここから『Soin(ソワン)]』がスタートします。

何かが見えて来ませんか?

 

カウンセリングが上手く出来ない・・・

お客様が心から信頼を寄せて来ていないような気がする・・・

私のアドバイスより、ネット情報を優先する・・・

 

リピーターに出来ない・・・

物が売れない・・・

 

カウンセリング、クロージング技術の問題よりも、そこに至る以前のポイント

の大切さに、築いていないことが問題なのではないでしょうか。

 

エステティシャンとお客様が共有

私は良くエステティシャンにお話しますが、『先ずは、お客様の悩みやコンプ

レックスを理解し、悲しみや辛さを共有するところから始めましょう』と…..

 

エステサロンでのカウンセリング風景

 

そして、目標を具体的にお互いに確認し合い、毎来店時に「どこまで進んで来

ているか」「どのように変化してきているか」、更にはお客様が努力した結果の

『喜び』も、経緯における『頑張りや苦しみ』の気持ちをエステティシャンや

担当者は『共有』して行くことがとても大切だとお伝えしています。

 

 

エステ、カウンセリングのもう一つの役割

エステサロンに来店されたお客様が、安心してサロンのリピーターに成ろうと決める要因に、エステティシャンのカウンセリングシーンが重要なポイントと成って来ます。

エステティシャンの会話や発言が信頼に繋がり『新客』⇒『固定客』⇒『常連客』への誘導に大きく関わっています。

 

 

エステサロンにおける、カウンセリングの具体的な場面と目的

施術前カウンセリング①

(目的)

来店目的(フェイシャル・ボディ・脱毛・ブライダルなど)に沿った専用のカウンセリングシートを基に、ご要望や悩みを具体的にお聞きします。

  • 初回は30分~1時間を目安に、問診・視診の上、シートに記入します。

(効果)

熱心に話を聞くことで、『受け入れてもらっている』という安堵感を与える事が大切です。

エステ・フェイシャル、カウンセリング風景

施術ルームにおいて、再度、視診・触診を交えてカウンセリングを行います。

施術前カウンセリング②

(目的)

お客様の情報を基に施術ルームでお着換え後、再度、視診・触診・問診を経て、施術内容を組み立て、トリートメントに入る前に、施術内容と時間、料金などを分かりやすく説明し確認及び同意を頂きます。

  • 施術中の不快感や違和感は、直ちに申し出て頂くよう伝えましょう。
  • お客様にデメリットと思える事項が有れば、事前に必ず伝えて承諾を得るように。

(効果)

サロンや施術に対する安心感、信用を与える。

施術中カウンセリング

(目的)

施術を通して、施術前カウンセリングで得られなかった詳細な情報を入手したり、お客様の主訴と症状の相違点などを確認します。

初回は特に施術や技術者への不安と緊張を抱えている場合が多いので、話すタイミングや声のトーンなどに気配りが必要です。

  • 肌や身体の状態を触れながら、施術を通して確認、判断する。
  • 必要に応じて手順や方法、目的・効果などを伝えながら進める。

(効果)

不安、緊張を解き、お客様自身にご自分の状態を正しく理解して頂く。

施術後カウンセリング

(目的)

施術後の実感やお手入れの感想を伺います。

この確認はお客様にケアの必要性を感じて頂くだけではなく、エステティシャンにとって施術が的確であったかどうかの判断にもつながります。

  • 施術後の変化を実際に触れて実感して頂きます。(鏡なども使用)
  • お客様の感想や表情から、施術に対する満足度を推察します。
  • お客様の来店目的を念頭に置き、施術内容(使用化粧品、目的、効果など)を振り返りながらホームケア及びサロンケアの重要性、必要性を伝えます。
  • サロンへの来店頻度、間隔、施術の方向性を提案し、目的に添った目標を立てを行い、エステティシャンとお客様が同じ目標に向かって取り組む姿勢を持つようにします。
  • サロンに通って頂く場合のサービス提供の回数や期間、予算などをお伝えする。

お客様の事情や意思を尊重しながらサポートする姿勢が重要です。

アフターカウンセリングを書面に記載している風景

施術の方向性やホームケアにおけるアドバイスなどは、必ず書面でお渡しします。

  • 上記の内容を必ず書面でお渡しする。
  • 帰宅後、施術部位に何らかの異常が生じた場合は、自己処理せず速やかに連絡頂くように伝える。

(効果)

サロンケアやホームケアの必要性を感じてもらい、お客様自ら、問題に前向きに取り組んで解決しようとする気持ちを抱いていただく。

 

効果的なカウンセリングの為に

カウンセリングルームの環境

[エステでのクロージング力を身に付けて営業力を高める]でも記述しましたが、カウンセリングは、お客様が落ち着いて悩みを相談できるよう、リラックスできる環境を心がけましょう。

部屋の広さ・色調やBGM・香り・証明の明るさなどに気を配り、周りの話し声などが聞こえないよう環境を整えましょう。

 

座る位置

カウンセラー(エステティシャン)とお客様の座る位置は、自然に会話できる

距離を保ち、机の角を挟んで椅子を置く事が理想です。

正対で向き合うと、相手の顔を真正面から見ることに成り、抵抗感を持たれやすくリラックス出来ません。

 

守秘義務の告知

事前にエステティシャンはお客様の情報を他には漏らさない『守秘義務』が有ることを告げ、安心してカウンセリングや施術を受けて頂くようにしましょう。

カウンセリング風景

「守秘義務」を明確に伝えて、安心感を持って頂くことが大切です。

デメリットの説明

カウンセリングでは、エステティックサービスに関するメリットだけではなくデメリットがある場合は事前に説明することが大切です。

この場合は、マイナス面を先に伝えた後、プラス面を述べた方が全体的に良い印象が残ります。

「嘘」や「ごまかし」を言わず、エステティシャンとして誇りを持って臨みましょう。

 

カウンセリングがエステを制する』と、強く認識して下さい。

 

カウンセリングの中で、お客様の真の願望や、辿り着きたいシチュエーションに気付くところから、「Soin(ソワン)」は始まります。

 

『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!」

 

まとめ

エステティシャンのカウンセリングでステップを踏んで、一つ一つお客様の思いと、その背後に潜む本音と感情をエステティシャンは聞き出し、無条件で受容することから全ては始まります。

そして<共感>⇒<浄化>⇒<気づき>に繋げて行くことで、エステティシャンへの信頼が生まれます。

少しでも多くのエステティシャン達が、このステップを確実に踏んでお客様から信頼して頂けると、エステティックへの信頼感も高まって来ると考えます。

エステ・カウンセリングに付いてお問い合わせの有る方は、下記までご連絡下さい。

エステティック総合商社 株式会社サンク
         代表取締役会長 清水收一

1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。

『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。

主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)

ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)

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