エステ基礎知識 ホルモンと肌
エステティックに携わって40年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
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エステ基礎知識 ホルモンと肌
自律神経によって自動的にコントロールされているホルモンは、内分泌腺から分泌され、血液によって目的の場所に運ばれます。
これらのホルモンは皮脂分泌やメラニンの発生など美容に深く関わって来ます。
エステティシャンが知っていて欲しい主なホルモンについてお話します。
美容に関わる主なホルモン
メラトニン
脳の視床に挟まれた松果体と呼ばれる部分から分泌される「眠りを誘うホルモン」で、体温や血圧を下げ睡眠と覚醒のリズムを調整します。
下垂体ホルモン
視床下部の指令を受け、独自のホルモンを分泌する一方で、他の内分泌腺も刺激して他のホルモン分泌を促す重要な役割を担っています。
<主な作用>
- 甲状腺、副腎皮質、性腺を刺激するホルモンを分泌。
- 中葉からメラノサイトを刺激するホルモンを分泌し、メラニンの算出を促すためシミができやすくなります。
成長ホルモン
前葉から分泌され、睡眠中と運動中に分泌が活発になるホルモンで、身体の新陳代謝を促し疲労回復、皮膚の再生を行います。
睡眠不足は成長ホルモンを減少させ、ニキビや乾燥、くすみなどの肌トラブルを招き、弾力が失われシワ・たるみなど肌の老化を促します。
副腎皮質・副腎髄質ホルモン
副腎から分泌されるホルモンは「抗ストレスホルモン」と呼ばれ、含まれる糖質コルチコイドが一時的に精神的・肉体的ストレスを和らげます。
長期にわたる過度なストレスは、副腎の機能を低下させ、皮膚は水分不足による乾燥やシミ・ニキビを発生しやすくなります。
医薬品のステロイド軟こうに含まれる「糖質コルチコイド」には、抗炎症、抗アレルギー作用があります。
そのためリウマチ性関節炎、じんましん、アトピー性皮膚炎、カブレなどの薬として用いられますが、毛細血管拡張や角化異常などの副作用をもたらすため。使用期間・使用量は処方に厳守しましょう。
性ホルモン
卵巣から分泌される女性ホルモンには、2つのホルモンが有ります。
- 卵胞ホルモン(エストロゲン):肌の血行促進、皮脂分泌の抑制、肌理を整える。
- 黄体ホルモン(プロゲステロン):皮脂の分泌亢進(特に月経前のニキビに関与)
女性の場合、初潮や月経、妊娠、更年期などで性ホルモンに変化が生じやすく、肌にも影響をもたらします。
- 月経2,3日まえから月経中
肌が不安定になってカブレやすくなり、ニキビができやすい
- 妊娠時
メラニンの産出量が増え、そばかすが濃くなり、シミができやすい
- 更年期(閉経前後、約10年間)
女性ホルモンが減少して肌の肌理が粗くなり、皮脂分泌が増え、体毛が濃くなる
美容に関わる主なホルモンの働きと、症状を記述致しました。
エステティシャンは医療行為を禁じられていますので、症状から判断しての断定などは決して行わないで下さい。
症状が気になる場合は、お客様に医療機関へのご相談をお勧め頂くことが大事だと考えます。
それによって、症状が大事に至らず、早期解決が出来たと感謝されたという話をよく聞きます。
特に婦人科系は、お客様が誰に相談してよいのかを悩んでいるケースがあります。
「聞き上手」を心掛け、相談にのってあげて頂きたいと思います。
まとめ
肌の荒れやトラブルの起因は、お手入れや化粧品の問題よりもホルモンに関係した原因から来るものが少なくありません。
エステティシャンはカウンセリングの中で、ご自分の知識・経験に照し合せ、お客様の身体の状態を探り、時には医療機関への検診をお勧めすることも大切だと思います。
「美と健康」両面からアドバイスすることが、エステティシャンの使命だと考えます。
ホルモンと肌に関するご質問のある方は、下記までお問合せ下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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