エステ解剖生理学~筋系Ⅰ
エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
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エステ解剖生理学~筋系Ⅰ
人体は約400種類の筋肉からなり、体重の40~50%を占め、グリコーゲンやブドウ糖をエネルギー源にして、運動や体温調節、呼吸、消化、排泄などの内面的運動を行い、基礎代謝の65~70%を消費しています。
筋肉とは
筋肉は、胎児で作られた筋繊維を生涯通して使います。
20歳代にかけて成長し、それを過ぎると筋繊維は細くなり、40歳を過ぎると減少して行きます。
筋肉の種類と特徴
筋肉の種類
筋肉には骨格筋、心筋、平滑筋の3種類があり、自分の意思で動かせる筋肉を「随意筋」、意志では動かせない筋肉を「不随意筋」と言います。
骨格筋(横紋筋) | 心筋 | 平滑筋 | |
---|---|---|---|
所在 | 骨格周囲 | 心臓壁 | 内臓・血管壁 |
働き | 身体を動かす 体温を保持する 栄養分を蓄える | 心臓を動かし 血液を循環させる | 内臓を動かす 血管を収縮させる |
核 | 多核 | 単核 | 単核 |
横紋 | あり | あり | なし |
神経支配 | 運動神経 | 自律神経 | 自律神経 |
随意・不随意 | 随意 | 不随意 | 不随意 |
収縮度 | 収縮度大、急速 | 収縮度大、急速 | 収縮度小、緩慢 |
疲労 | 疲労しやすい | 疲労しにくい | 疲労しにくい |
赤筋と白筋
筋肉には、酸素を蓄える「ミオグロビン」(赤色の色素タンパク質)の含有量によって、赤筋と白筋に分かれます。
- 赤筋:ミオグロビンが多く、酸素を使って、ブドウ糖と脂肪を燃やしエネルギーを生み出します。瞬発力は劣りますが、ウォーキングなどの有酸素運動、軽い筋トレで使用されます<別名:遅筋>
- 白筋:ミオグロビンが少なく、酸素を使わず、ブドウ糖を燃やしエネルギーを生み出します。瞬発力や強い力が必要な運動で使われ、持久力はありません。<別名:速筋>
骨格筋の構造と働き
骨格筋は「筋原線維」が束になって「筋繊維」を構成し、さらに筋繊維を束ね
て外側を「筋膜」で包んでいます。
骨格筋は筋肉の両端の「腱」で骨膜に付着し、関節を超えて2つの骨に付いて
いますが、顔面の表情筋は皮膚に付いています。
筋の収縮
大脳の運動中枢から発せられた命令は、神経を介して毎秒10~13mの速さで
末梢の筋に伝達され、筋の収縮によって運動がおこります。
筋肉の伸縮は、連結部分の一方<起始部>固定され、もう一方<停止部>が動
く仕組みになっています。
筋の運動
関節を伸ばす筋肉を「伸筋」、曲げる筋肉を「屈筋」と言います。
伸筋と屈筋のような反対の動きを同時に行う一対の筋肉を「拮抗筋」、1つの運
動に関して協力して働く筋肉を「協働筋」といいます。
筋肉内の血管と神経
筋肉内には動脈と静脈が並行して走り、筋肉繊維に沿って毛細血管が網目状に
分布しています。
血管は筋肉に必要な栄養物質や酸素を運び、不要な炭酸ガスや老廃物を排泄
します。
骨格筋が強張るとこれらの働きが低下し、より筋肉が強張るといった『悪循環
』をもたらします。
骨格筋が柔軟でいることが、老化などをゆっくりと穏やかに進める一つの要因
と成ります。
神経線維も同様に分布しており、運動神経は骨格(横紋)筋を、また自律神経は
平滑(内臓)筋を支配して動かします。
筋の痛覚は、知覚神経が司っています。
まとめ
エステティシャンが施術(マッサージ)において、一番関わってくる「筋系」に付いて解説いたしました。
筋系は解説する内容が多いため、筋肉の働きや表情筋について、また昨今注目されている「筋膜」などについては次回解説いたします。
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1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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