2019年11月号 フェイシャルトリートメントの在り方

『乾燥で肌がボロボロ』『目立つシワをどうにかして』『フェイスラインがたるんで老けてみられる』などなど日本では、気温と湿度が下がりお肌の乾燥が進行する秋から冬にかけてフェイシャルトリートメントの需要が高まります。
そこで、今回はフェイシャルトリートメントについてまとめてみます。

 

オートクチュール・カスタマイズ
フェイシャルトリートメントの在り方

◆目的は同じでも・・・ひとりひとりのお肌は千差万別

例えば、「肌の乾燥がひどくて・・・」というお客様が来店された場合。
どのお客様にも同じトリートメント工程・手技・商材でサービス提供を行っているサロン様が多いようです。

原因:水不足からくる乾燥
皮脂分泌の衰えからくる乾燥
エアコンなど生活環境からくる乾燥

とお客様によって原因は様々です。

とするならば、エステティックはクライアントひとりひとりにオートクチュールな、その人の為の“施術”でなければならないはずです。
クライアントの年齢・肌質・肌調、その上で目的に沿った“施術”をその都度作り上げていくことが当然だと考えます。

 

*さらに、同じお客様でも来店された時期により、同じ目的でも“施術”は変えるべきです。

お肌(皮膚生命)は時と共に絶えず変化し、どの時期をとっても、ひとつとして同じ状態はありません。

施術前のカウンセリングやクレンジング後のスキンチェックの際に、お客様の肌状態を確認し、最適な工程・手技・商材を選択しトリートメントを作り上げることが、エステティシャンとしての技量の見せどころであり、唯一無二のセールスポイントとなるはずです。

 

◆オートクチュールな手技【ハンドマッサージの基本理論】

「マッサージの手技には全て理論があり、
     エステティシャンはそれを理解し組み立て施すプロであれ」

 

<フェイシャルマッサージの目的と効果>

マッサージは、顔の骨格や筋肉走行、血液・リンパ液の流れに沿って皮膚に摩擦や振動を与えます。
細胞レベルでの栄養の浸透と老廃物の排泄機能を高め、また、各真皮乳頭層の萎縮を防ぎ、結合線維や
基質の衰えを予防して皮膚の美しさを保ちます。さらに、心地よい刺激が皮膚から脳に伝えられ心身をリラックスさせるなど、トリートメントにおいて特に重要な工程です。

<手技の特徴および効果>

【軽擦法(エフルラージュ)】:目的や部位、動作によって大きく9種類の軽擦法があります。
軽くさするという意味で、マッサージ手技の中で最も多く使われます
<効果>
マッサージに入るための準備運動・リラックス効果
筋肉・血管に沿ってさすることで血液循環を促す効果
【強擦法(フリクション,フロットゥモン)】
真皮層や血管に刺激を与えるマッサージ
<効果>
皮下の脂肪や老廃物に刺激を与え、新陳代謝を高めます
【揉捻法(ペトリサージュ)】
手指や手掌で深い刺激を与え揉みほぐす
<効果>
短く萎縮した筋肉を伸ばし、衰え痩せた筋肉を回復
老廃物の排泄をはやめ、栄養分の吸収を高める
【圧迫法(プレッション)】
毛細血管を圧迫し、その反動を利用して血液循環を促進
<効果>
筋肉内の老廃物を排泄
弾力を強化し、筋肉の機能回復・リラクゼーション効果
【打法(ペールキュッション)】
手掌、指の腹を伸ばし素早く連打する
<効果>
弛緩した筋肉を引き締め、弾力の回復
血行促進による皮膚の活性化と新陳代謝の促進
軽く行う場合はリラクゼーション効果
【摘み手法(パンスモン)】
皮膚を手指や手掌で軽く摘み、素早く離す手法
<効果>
シワの予防と軽減や皮脂腺に詰まった皮脂の除去
毛細血管の収縮と弛緩を活性させ、血液を分散
【振動法(ビブラッション)】
手指や手掌で皮膚に振動を与える手法
<効果>
血液やリンパ液の循環を刺激
筋肉に振動を与え機能を高める
抹消神経への心地良い刺激がリラックス効果

さらに、特殊テクニックとして・・・リンパドレナージュや経穴、静脈マッサージなどがあります。

お客様の状態を見極め、その上で目的のために最適な“手技”を組み立てましょう