エステ解剖生理学~起始と停止
エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
エステ解剖生理学~起始と停止
エステティシャンは技術を学ぶと同時に、多くの基本理論を並行して学ぶ事が大切です。
エステティック概論、美容皮膚科学、解剖生理学、香粧品学、栄養学、エステティックカウンセリング理論、衛生・消毒法、美容電気学、フェイシャル・ボディ実技理論、そして、関連法規など、多岐に渡って学ぶ理論は数多くあります。
今回はその一つ、解剖・生理学の中で学ぶ骨格系、筋系において、意外と見落としている重要なことに付いて記述したいと思います。
起始と停止
筋肉には「心筋」「平滑筋」そして、エステティシャンが触れる「骨格筋」が有ります。
この骨格筋の働きは、身体を動かす、体温を保持する、栄養分を蓄えるといった重要な役割が有り、特に運動を司る唯一の随意筋です。
骨格筋は「筋繊維」で構成され、更に筋繊維を束ねて外側を「筋膜」が包んでいます。
骨格筋は筋肉の両端の「腱」で骨膜に付着し、関節を超えて2つの骨にくっ付いています。
但し顔面の表情筋だけは、「皮膚」に付着しています。
我々、技術者がここで知識として把握すべきことは、筋肉の名前とどの辺にどう存在しているかだけではなく、その筋肉の主な働きを理解していなければならないと思います。
その為にも、きちんと理解して頂きたいのが、どの筋肉がどの骨と付着していて、筋肉の伸縮において連結部の一方が固定されていて、もう一方が動く仕組みに成っている事です。
もう少し詳しく説明すると・・・
運動する筋肉は、一方が動かない骨に付着し、もう一方は動く骨に付いているという事です。
その運動しても動かない骨の付着部を『起始』部と言い、動く側の骨への付着部を『停止』部と言います。
この骨格筋にアプローチして筋肉を緩めたりするためには、この『起始』と『停止』部への施術が重要と成って来ます。
例えば・・・
胸鎖乳突筋の起始:胸骨・肋骨
停止:側頭骨の乳様突起(後頭骨)
大胸筋の起始 :鎖骨の内側
停止:上腕骨外側
前鋸筋の起始 :肋骨(1~9)
停止:肩甲骨内側
腹直筋の起始 :骨盤前面
停止:肋骨(5~7)剣状突起
僧帽筋の起始 :後頭骨
停止:鎖骨外側3分の1
三角筋の起始 :鎖骨外側3分の1
停止:上腕骨
上腕二頭筋の起始:肩甲骨烏口突起
停止:橈骨
一例ですが、運動と筋肉、骨格の関係がお解り頂けたでしょうか。
このように運動する筋肉に働きかける時は、「起始部」と「停止部」へのアプローチがとても重要なポイントと成って来ます。
屈筋と伸筋
低周波機や中周波機で筋肉にアプローチする時は、「屈筋」「伸筋」を見定める事も大切です。
関節を伸ばす筋肉を「伸筋」、曲げる筋肉を「屈筋」といいます。
屈筋が働く時は屈筋が縮み、その時伸筋は屈筋の動くのをスムーズにするために緩みます。
この一連の動きに合わせてのパッドの装着部位が求められて来ます。
筋肉を緩めることで「筋疲労」を取り除き、血行を促してブドウ糖や酸素の補給を高め、筋に生じた老廃物の排泄を速めることで更に回復を早めるという良い循環が生まれます。
そして、エステティシャンのマッサージテーマの一つであり、エステティシャンが持っている「ドレナージュ」(流す技術)こそ、他の治療家たちが持ちえないテクニックの一つでもある訳です。
その為にも『起始』と『停止』を理解し、正しい効果的な筋肉へのマッサージを試みて頂きたいと思います。
まとめ
エステティシャンが学ぶ解剖生理学。
その中の骨格系、筋系において特に学んでもらいたい『起始」と『停止』に付いて
記述致しました。
この『起始』と『停止』にきちんとアプローチすることが、筋肉を緩める大事なポイントと成ります。
詳しく学びたい方は、下記までお問合せ下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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