汗のメカニズム
エステティックに携わって40年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
汗のメカニズム
気温が高まって来ましたね
春から初夏に向けて、地上に届く赤外線、紫外線の量も増え、基礎代謝も上がり、汗や皮脂の分泌が活発になって来るシーズンです。
そこで、もう一度「汗腺」に付いて、詳しく解説したいと思います。
汗腺の特長
汗を分泌する汗腺には、エクリン腺(小汗腺)とアポクリン腺(大汗腺)の2つがあり、水分や体内の老廃物を排泄しています。
一日の発汗量は排尿量とほぼ等しく約1~1.5Lで、運動量や心理状況、味覚刺激などによって変動します。
エクリン腺からの汗は水分が殆どで感触的に“サラッ”としています。
もう一つのアポクリン腺から出る汗は、タンパク質や脂質が多く混ざっていて、匂いもあり、“ベタッ”とした感触感です。
エクリン腺(小汗腺) | アポクリン腺(大汗腺) | |
---|---|---|
分布 | 全身(口唇・陰部を除く)に約300万個。手掌、足底、額に多い。 | 腋窩・乳暈・臍・外陰部・肛門など局所的 |
開口部 | 皮膚表面 | 毛包(皮脂腺の開口部より上方) |
分泌 | 一生涯 | 思春期に活発化し、更年期に衰える。生理前後に多くなる 人種別:黒人>白人>東洋人 |
PH | 酸性(3.8~5.6) | 弱酸性(6.2~6.9) |
成分 | 水(99%) その他:ナトリウム:尿素など | タンパク質や脂質が多く、白濁色 |
支配 | 副交感神経 | 交感神経b |
作用 | 体温調節 | 精神性発汗/体臭を生じる |
発汗の種類
- 感知性発汗 :体感や肉眼で確認できる汗で、運動で増量する。
- 不感知性発汗:水蒸気として蒸散する。
- 精神性発汗 :興奮、緊張などの心理状態に関わる汗。
- 温熱性発汗 :気温や体温に伴って出る体温調節のための汗。
- 味覚性発汗 :辛い物や刺激性の強いものを食べた時に出る汗。
発汗の役割
汗は角質層の水分を保つと同時に、分泌された皮脂と混ざり合い「皮脂膜」を形成し、外からの刺激から肌を守ります。
また、発汗によって体温を一定に保ち腎臓の働きを助けます。
発汗に伴うトラブル
アポクリン腺から出る汗には、タンパク質や脂質が含まれているという事をお話しました。
そのタンパク質や脂質などの有機酸にが、腋などに存在する「常在菌」によって分解され嫌な臭いを発することが有ります。
これが俗にいう「腋臭」です。
常に清潔に保つことが大切です。
また、運動不足や冷暖房を使いすぎる人の汗腺は機能が低下し、蒸散しにくいベタついた汗になり、より雑菌を繁殖させ匂いも強く成りますので気を付けましょう。
まとめ
皮膚科学における「汗腺」について詳しく記述致しました。
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1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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