リンパマッサージとエステ
エステティックに携わって40年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
リンパマッサージとエステ
昨今、エステサロンは勿論の事、整体などでもやたら「リンパマッサージ」を施しますという声を聴きます。
「身体にたまった毒素を排泄して、リンパの流れを活性化させます」と言った営業アピールトークです。
一歩間違えると、景品表示・薬機法における優良誤認・広告表示違反(根拠が不明、厚労省が定める広告表示以外の効果表現)に問われそうです。
確かに、リンパマッサージは、リンパの流れをスムーズにして体内の老廃物の排泄や脂肪の運搬、免疫力を高める目的で施されますが、正しい生理解剖知識と熟練した手技が伴わないと難しい施術です。
フランスでは、C.A.P.(職業適性証明書 エステ国家資格)において初級的なことは教えますが、それを実践して行く為には、リンパの専門学校に改めて入学し資格取得を目指します。
又、リンパマッサージの禁忌事項は多く、注意を要します。
そこで、エステティックとしての「リンパマッサージ」に付いて、今回は解説いたします。
テクニックのポイント
- リンパ液の流れに沿わせる
全身のリンパ液を主要なリンパ節に向かって流し、最終的に左側の「胸管」
と右側の「右リンパ本幹」を通って、左右の静脈角で大静脈に合流させます。
そのため、そこを施す際にも最初にこの左右静脈角をほぐして、排泄口を「空けて」置く必要があります。
- タッチの強さと速さ
皮膚に刺激が伝わるくらいの優しい圧をかけながら、ゆっくりと流します。
多くのリンパ管は皮膚の浅いところに分布しているため、強いマッサージは逆効果と成ります。
- リンパドレナージュの特徴
排液・排出の意味をもつ「ドレナージュ」は、リンパ液を規則的でリズミカルに循環させるために効果的なテクニックです。
リンパドレナージュ基本テクニック
- ポンパージュ
ゆっくり(約2~3秒)押圧し、同じペースで元に戻すテクニックです。
施術の最初に施す時は、左右の静脈角(最終排泄道)に近いリンパ節から遠心的に、最後に施す時は静脈角から遠い位置のリンパ節から求心的に元へ戻ります。
- ドレナージュ
リンパ節に向けて軽く押圧するテクニックで、いくつかの手法で構成されます。指や手掌を密着させ、各リンパ節に近い位置から遠心的に、リンパ節方向に押圧します。
- フラージュ
ドレナージュと同じ押圧するテクニックで、各リンパ節の遠い位置から逆方向に求心的に、施す手法です。
- ペトリサージュ
リンパ循環を妨げる筋肉の緊張や凝りを揉みほぐす手法です(揉捏法)
リンパマッサージの禁忌
リンパマッサージを施してはいけない疾病や状況があります。
大変重要な事なので、下記のお客様には、施術をお断りするか、その方の担当医の了解を書面で頂いてから施術しましょう。
・心臓病、腎臓疾患・感染症・悪性の病気・低血圧・妊娠3か月以内の妊婦・生理中・化学療法を行っている人・臓器移植している人・高熱の時・皮膚炎
*癌の術後で、転移の可能性(安全期間が確認されていない)が考えられる方。
リンパマッサージは、医者や看護師さんたちが医療領域として施している手技の一つでもあります。
例えば「リンパ浮腫」などの患者さんを少しでも楽にさせてあげたいと、医師の指導の下、解剖生理学の基礎知識を踏まえて看護師さんが施しています。
エステティシャンが行う場合は、専門的な知識を学んだ上で、施術して頂きたいと考えます。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』
医学科学の理論に基づいた、正しいエステティックを施して行きましょう。
まとめ
エステにおける「リンパマッサージ」
解剖生理学など基本をきちんと学んだ上で、正しく安全に施術することが重要です。
詳しくお知りに成りたい方は、こちらまで。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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