エステ解剖生理学~生殖器系/更年期

腰をマッサージ

エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>

エステ解剖生理学~生殖器系/更年期

 

生殖器系は、生殖細胞(精子と卵子)を作り、核を融合させて子孫を作る役割をするところです。

今回は美容に直接関係してくる「女子生殖器とホルモン」と「女性のライフサイクル」に付いてピックアップして解説いたします。

 

 

女子生殖器とホルモン

女子生殖器は、次の器官で構成されています。

  • 卵巣 :骨盤の内側に左右一対で存在し、卵子を作り、排卵する。

また、女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)を産生する。

 

  • 子宮 :受精卵の着床、胎児の発育と保護。

 

  • 卵管 :卵子を蠕動運動で子宮に運ぶ。

 

  •   :分娩時には産道となり、内部は酸性の粘液で覆われ自浄作用がある。

 

  • 外陰部:恥丘、大陰唇、小陰唇、膣前庭

 

卵巣から分泌される、主なホルモン

  • 卵胞ホルモン(エストロゲン)

思春期に女子生殖器の発育や二次性徴、性衝動を促します。

脂肪同化作用から、身体は丸みをおび女性らしくなります。

艶のある髪や、しっとりとした肌を作ります。

 

  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)

妊娠に関係が深く、受精卵が子宮に着想して発育しやすくします。

基礎体温を上昇させ排卵抑制、乳腺の発育を促します。

 

 

女性のライフサイクル

女性の体は性ホルモンの影響を受け、思春期成熟期には排卵と月経という一定の「性周期」を繰り返し、やがて閉経に伴う更年期、卵巣機能が完全に停止する老年期と言った特有のライフスタイルを歩みます。

 

性周期と肌

成熟した健康的な女性の体は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの影響を受けて、おおよそ25~35日の一定周期を繰り替えします。

卵胞期」「排卵期」「黄体期を繰り返し、身体や肌に様々な影響を与えます。

女性のライフサイクル

美容への影響

  • 卵胞期:体温が低く、肌の表面も低くなり、血行が悪くなります。

肌はやや黄色みを帯び、張り感がなく、小じわや毛穴、色素沈着が目立ちやすい。

情緒不安定で、甘いものを欲し食欲が増し、体重やサイズが増加傾向になります。

 

  • 排卵期:黄体ホルモンの分泌が増え、肌にハリや艶がでる。

気分も安定し、新陳代謝も活発になって体調が良い。

水分や老廃物の排泄が促され、ダイエット効果も出やすい時期です。

 

  • 黄体期:卵子を排出した後で、体温が高く、肌の表面温度も高くなり血行が良く、肌色は赤みを帯びて、ハリが出ます。

月経前一週間は、黄体ホルモンの影響が強く出過ぎて、肌はくすみやすく、皮脂分泌が旺盛に成りニキビができやすい。

食欲が増して一時的に体重が増加し、便秘にもなりやすくなります。

 

 

妊娠・出産

妊娠中や出産前後はホルモンバランスの変化が大きく、身体や肌に様々な変

化が起こります。

特に妊娠中は黄体ホルモンの分泌が増え、メラニン色素の沈着を促す作用や

皮脂分泌を高める作用があるため、シミやニキビができやすくなります。

 

更年期症状に苦しむ女性

閉経・更年期

閉経とは加齢とともに卵巣からの卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌が

減少し、月経が永久に停止することです。

閉経の前後を更年期と呼び、ほてり・多汗・情緒不安定など身体に変調を

たりすることもあります。

更年期症状は人によって個人差がありますが、閉経前後の女性の殆どに起こ

る可能性があります。

未既婚や出産の有無より、完ぺき主義で几帳面な性格や、ストレスへの対処

法を持ち合わせていない人、家庭や職場での人間関係など環境に問題を抱え

ている人に強く症状が出ます。

先ず担当エステティシャンは、誰もが迎える症状だときちんと伝え、更年

期ライフをしっかりと受け止めて、辛さなどを軽減できるように施術やアド

バイスを心掛けましょう。

 

腰をマッサージ

閉経後・老年期

男性ホルモンが優位に立つため、女性でも男性化の変化が生じる。

体毛が濃く成ったり、骨代謝が衰え、骨粗しょう症に成ったりします。

自律神経のバランスが崩れやすくなりますので、リラックスを感じさせる施

術や応対を心掛けて下さい。

 

 

フランスでは、こういった閉経に伴う更年期での症状を抱えた女性は、先ず

掛かりつけのエステティックサロン、エステティシャンに相談に行きます。

その上で、ひどい症状の場合は婦人科など医療機関を受診するケースもあり

ますが、一般的には「更年期ライフ」をエステティシャンと共に受け止め

て、「更年期ライフ」を楽しむ方向に気持ちを切り替えるようアドバイスをし

ます。

そして、気持ちを共有してくれるエステティシャンに信頼が高まってきま

す。

日本でも、サロンで更年期症状の「無料相談会」などを告知して、悩める女

性たちに手を貸してあげて欲しいと思います。

 

   『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』

 

「更年期」に関する知識セミナーや、「更年期パーソナルチェックシート」

など()サンクでは用意していますので、ご興味のある方はご相談下さい。

エステティック総合商社 株式会社サンク
         代表取締役会長 清水收一

1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。

『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。

主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)

ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)

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