エステ解剖生理学~人体のしくみ
エステティックに携わって45年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
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エステ解剖生理学~人体のしくみ
エステティックとは「より健康で、より美しくある為の、医学・科学の理論に基づいた・・・」
私が講習させて頂いている『エステティック概論』でお話する、エステティック定義の冒頭です。
コロナウイルス感染が一旦落ち着き、サロンを再開したがお客様が未だ多くは来られない現状のサロンの方達から、時間が有るので良い機会だから、もう一度「解剖生理学」を学び直したいとのお声を頂いております。
何人かの方には弊社にお越し頂いて、個人授業の形で(3密にならないように)受講して頂いております。
遠くは沖縄からもオファーを頂き、講習することにも成っております。
その際に「リモート講習」とかでは行わないのですか、とのお話も頂きました。
それはそれで「一考」してみたいと考えますが、今、基本学習を求めている方が多いので、これまでも折に触れて、このブログで基本知識を記述して来ましたが、今回は連載で『解剖生理学の基本理論』を抜粋して、お話したいと思います。
イラストが掲載できないので、分かりにくい点も有るかと思いますがご容赦下さい。
では、第1弾『解剖生理学~人体のしくみ』からお話致します。
人体の構造
人体は約60兆個の細胞が集まってできています。
細胞は生物の基本単位で、受容した刺激(変化)に反応し、常に代謝(運動・呼吸など)や増殖を繰り返しています。
同じ働きを持つ細胞が集まって「組織」を作り、組織が集まって「器官」を構成しています。
私達の身体は、成人では体重の60~70%が水分で、タンパク質や脂肪、ホルモン、ビタミンなどの有機物質が25%、さらに酸素や炭素、窒素、ミネラルなどの無機物質5%で構成されています。
水分(体液)の約70%が細胞の中に、残りが細胞外液として存在します。
細胞は組織間液に含まれる酸素や栄養分を取り入れ、不要となった炭酸ガスや老廃物を排出します。これをガス交換といいます。
細胞
ヒトの細胞の多くは細胞膜という外壁で細胞質を包み、中心部に核を持っています。
身体を作る体細胞は、核を分裂させた後に細胞質を二分する「有糸分裂」で増殖します。
- 細胞膜:細胞はリン脂質の二重膜からなる、半透明で透過性のある細胞膜によって、外界と接し、生命活動に必要な物質を取り込み、老廃物を排出しています(浸透圧作用)
*このリン脂質に似た構造で作ったものが、化粧品製法でいう「リポゾーム」です。
- 細胞質:細胞膜に包まれた液体(細胞質基質)で、細胞内の呼吸器官である「ミトコンドリア」、部室の濃縮・貯蔵に関わる「ゴルジ装置」、細胞分裂時に両極に分かれ、紡錘体・べん毛・繊毛の形成に関わる「中心小体」、そのほかに水解小体、小胞体、リソソーム、リポゾームなどで出来ています。
- 核 :遺伝子を保存します。
核膜、染色体、核小体があります。
組織
組織は4つに大別され、それぞれが一つのまとまった働きを担っています。
- 上皮組織:体表面及び内部器官の内表面を覆う。
例)皮膚上皮、粘膜上皮
- 支持組織:体を支え、組織や器官の間を埋めて、細胞や組
織、器官を結合させます。
また、血液やリンパ液などの「液状組織」も含みます。
例)骨、脂肪、膠原繊維、血液、リンパ液
- 筋組織 :収縮性を持つ筋繊維からなり、運動に関与します。
例)骨格筋、平滑筋、心筋
- 神経組織:刺激や興奮の情報を処理。
例)中枢神経、末梢神経
器官及び器官系
組織が集まって、一定の目的にかなう働きを有するものを「器官」といい、器
官が集合して特異な役割分担の基に構成される系統を「器官系」といいます。
- 骨格系
- 筋系
- 神経系
- 内分泌系
- 循環器系
- 消化器系
- 呼吸器系
- 泌尿器系
- 生殖器系
- 感覚器系
生体の変化と適応
恒常性(ホメオスタシス)
外部環境に適応し、良い状況に維持する「自己調整能力」のことです。
代謝
生命を維持するために体内で生じている化学反応をいいます。
食事で摂った栄養素を異化してエネルギーに変換し、このエネルギーを使って物質を同化しながら生命活動を営みます。
この異化・同化作用を「新陳代謝」又は「物質代謝」といいます。
刺激・興奮・反射
体内の各器官は神経という伝達経路を使って、各臓器に働きを起こさせる変化を「刺激」、働きが起ることを「興奮」また、外部刺激に対して意志の力によらず、素早く反応することを「反射」といいます。
生命を維持するための、人体の基本構成と仕組みについて記述しました。
先ずは、ここから「美と健康」が始まります。
まとめ
エステティシャンが施術するマッサージは、骨格系、筋系を理解し、特に「起始」と「停止」の関係が分からないと効果的な手技とはなって来ません。
施術だけではなく、アフターカウンセリングにおいても、美と健康へ向けたアドバイスが重要なポイントとなってくることはご存知の事と思います。
その為には、人体の「解剖生理学」を学んで頂きたいと考えます。
今回はその第1弾、「人体のしくみ」に付いてお話致しました。
ご質問等が御座いましたら、下記までご連絡下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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