エステ市場動向、一般商業市場、ネット市場との比較と課題
エステティックに携わって40年、エステ伝道師 清水收一が伝える<本物のエステティックを知って欲しい>
Contents
エステ市場動向、一般商業市場、ネット市場との比較と課題
エステティック市場規模
エステティック市場は2000年をピークに下降傾向が続き、ここ10年は横ばい状況にあります。(矢野経済研究所・資料参照)
市場規模は全盛期の半分、サロン数も減少しています。
ましてや、2019年12月からコロナ禍で、お客様との距離間が近い施術などが中心のエステティック業は、より集客が厳しい状況に成っています。
しかし、エステに対する潜在需要や、一度エステを受けて見たいというファーストユーザー層は、アンケート調査でも数多く見込まれる集計が出ています。
では、この10年間横ばいで、何故成長出来ないのかを考えて見たいと思います。
その為にも、他の参考に成りそうな業種の業界動向や予想される課題、問題点を検証し「エステティック業界」「エステサロン市場」と比較して、今後の取り組み方を考察して見ます。
日本の小売業の状況
・2007年をピークに売り場面積は減少:1人当り0.8㎡ ⇒1人当り1.3㎡
・人口比の売り場面積は飽和状態。
・売上は、平成時代を通じて低迷。
★CVS(コンビニ)を除き、デパート・GMSは1997年から年間販売額は減少。
E・コマース
・E・コマースは2010年以降右型上がりに成長、16兆円を超えて来ている。
★E・コマースの現況
生産者=購入者 商品価格はマーケットが決める⇒利益低下傾向。
SC(ショッピングセンター)
・テナント賃料は横ばい傾向。
・飲食テナントが物販テナントを超える。
・坪効率は低下。
★来店客数は多いが買い物はしない。
↓
ショールーム的要素で、商品を見て価格を調べる。
↓
最終的にネットで購入。
商業を取り巻く環境
・商業競争激化:売り場面積の供給過多
・ライフスタイルの変化:若者世代の「ワンマイル化」
★核家族化・一人生活増:土・日は1600mしか動かない。一人で過ごす。
↓
車が売れない⇒カーシェアリング108%増(2018年)
・利益率の低下:ニッチ市場の拡大、E・コマースの拡大、価格の多様化。
・社会潮流の変化:エコ意識の高まり、災害からの影響。
エステティック市場考察
前述の「我が国の小売業の状況」や[商業を取り巻く環境の変化]などを鑑み
て考えると・・・
<現状>
『サロン市場』において、一番に心配に思う事は「価格破壊」です。
それは施術料金もさることながら、ホームケア商品の購入がサロンからE・コマース
に移りつつある理由です。
最初はサロンのエステティシャンがカウンセリングし、お勧めした商品を気に
入ったお客様が、再購入の際にはサロンではなくネットで購入するケースが増
加しています。
それは、投資リスクの少ないE・コマースが安く価格訴求しているからです。
今後、サロンにおいてはネットに登場しない商品が、選択基準の最優先事項に成って来るという事です。
そして、施術に於いてもチケット販売での囲い込みを優先するサロンが後を
絶たず、施術価格の低下が考えられます。
それに対抗するためには、サロンのトリートメントの独自性や、手技・技術の
質と信頼が大事に成って来ます。
ご自分のサロンの現状を分析しましょう!
SWOT分析
- <強み>Strength
- <弱み>Weakness ⇒ 積極的攻撃、差別的戦略、段階的施策
- <機会>Opportunity 挑戦的開拓
- <脅威>Threat
誰でも使用出来る機器などに依存するサロンは、競争激化で厳しい状況になる
と予想されます。
<今後>
お客様への差別化した、具体的取り組み方が必要な時代に入ります。
「広く、浅く」のターゲットではなく、ファーストユーザーからヘビーユーザー作りに向けたメニューやオペレーションの構築が必須です。
・コアターゲット:「シニア世代」
・サブターゲット:「次世代シニア」
・戦略ターゲット:シングル・レディー&シングル・マザー
といった具体的なお客様への戦略展開が個別に必要と成ります。
「お客様が楽しく通いたくなるサロン作り」「安心感のあるサロン」
お客様の生活の中に組み込まれる、サロンを目指しましょう!
その為にサロンの雰囲気作りやスタッフ教育が重要事項と成って来ます。
サロンオーナーの「思い」や『夢』がはっきりとお客様に伝わる、お客様にオートクチュールな対応が出来る、オンリーサロンが勝ち残っていく時代が来ています。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』
まとめ
一般商業市場、ネット市場動向の変遷を踏まえて、エステティック市場動向を言考えてみました。
「価格破壊」や「利益低下」など、大きな課題が浮き彫りに成って来ます。
そして、E・コマ-スやコロナ禍での戦い・・・
その為には、エステサロンが早急に考えなければならない事を記述しています。
詳しくお知りに成りたい方は、下記までご連絡下さい。
1982年、エステティックサロンのプロデュースとコンサルティング、商品の提供などを主な業務とするエステティック総合商社・株式会社サンクを設立。
『素晴らしくしようじゃないか、エステティック!』を合言葉に、エステティックの正しい理論や新しい技術の普及に努めると共に、オーナーのヴィジョン『夢』とサロンの魅力が詰まったオンリーワンサロン作りを目指し、エステサロンの企画から経営までトータルでサポートしています。
主な著書:最新レジャー産業開発・経営モデルプラン、女性向け・新レジャー事業(綜合ユニコム)、SOINESTHE、ESTHE NET(新美容出版)
ビューティーソムリエールエステティック理論編(サンク)
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