2018年9月号 エステティックは老化予防管理が基本

エステティックはコンプレックス産業ではない!

エステティックをトラブルを改善するために通うコンプレックス産業だと思っている人がいます。
もちろん、トラブルに対しての1回の施術による効果は大切です。
しかし、本来は1週間、1ヵ月、3カ月と四季に合わせて、そして半年、1年と期間を重ね、その時々の体調・肌調そして生活環境を鑑みて施術を行い、長期でお肌の状態をケアすることこそ、肌老化を予防し管理する本来のエステティックです。

1946年に開かれた第1回CIDESCO大会で話された
フェイシャルエステティックの基本理論

“時を超えて老化予防管理を行うのがエステティック”

日本の場合は、春から夏にかけて基礎代謝は上がり、多くの機能は活発化します。
汗も良くかき、皮脂分泌は旺盛になり、ニキビや吹き出物が多く見られるのもこの時期です。
夏を過ぎると代謝は落ち、秋から冬に向かうと血行や皮脂分泌が低下、肌は乾燥していきます。
体温の低下を少しでも抑えるため毛細血管は収縮し、酸素や栄養分も基底層に届き難くなります。

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そして、年齢がひとつ年を取るのと同じように、肌もひとつ年を取ります。

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しかし、この秋から冬の期間を良い環境で過ごす事が出来れば、肌を0.5歳の年の取り方に抑える 事ができます。そうすれば、10歳年を取っても、肌年齢は5歳若く保つことができるのです。 これがエステティックが老化予防管理技術と言われる所以です。

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短期的なトラブルケアではなく、長期的展望でお客様のケアを組み立て繰り返し、
お客様の老化予防管理を行う事こそエステティックの基本です。

毎日のケア、皮膚のターンオーバーを見据えての1週間・1ヵ月のケア
そして、季節や環境で考える年間ケア

毎日のケア、皮膚のターンオーバーを見据えての1週間・1ヵ月のケア
そして、季節や環境で考える年間ケア

 

オートクチュールに組み立てる

お客様ひとりひとりに生活パターンがあるように、お肌のお手入れやボディケア
にもお客様ひとりひとりに合ったお手入れ方法が存在します。
これを踏まえ、お客様に向き合う美容方法が本来のエステティックであり、
だからこそカウンセリングが大切になってくるのです。

 

【老化予防管理技術のポイント】

ポイント1.定期的なケア(メンテナンス)
人々が生活の上で使用しているものは、どんなものでも時間とともに劣化・老朽化していきます。 それは人も同じです…しかし、定期的なメンテナンスによって欠陥を早期に発見したり、遅らせることは可能です。
ポイント2.世代別特徴を軸に生活習慣、環境、季節に着目したメニューづくり
人の老化(劣化・老朽化)を進行させる大きな要因は世代によって異なります。 故に、同じような肌トラブルであっても、そのアプローチ方法は世代別にあって然りだと考えます。 各世代別の特徴、身体に現れる影響をベースに、その方の生活習慣や環境、季節に応じたメニューを組立て 提案することで、健康で美しい生活(QOL向上)のための土台を整える(メンテナンスする)ことが可能となります。

 

【各世代の特徴】

◆アラフォー(Around40)世代
基礎代謝が年々衰えてくるなか、外的ストレスだけでなく仕事や家庭での心的ストレスの影響も 大きいのがこの世代の特徴です。そのため、肌は常に荒れやすい状態のため浄化が必要です。
ポイント:肌の新陳代謝の促進/肌の疲れ/くすみ/汚れへの対応
◆アラフィフ(Around50)世代
更年期に突入しホルモンバランスの乱れによるトラブルが不安な世代。ストレス(外因性・内因性)に 対する抵抗力もさらに衰えてきます…。なかでも老化を進行させる光老化および酸化による身体への 影響が大きくなってくる世代のため、重点的なメンテナンスが必要です。
ポイント:抗光老化/抗酸化/自律神経の調整/ホルモンバランスの調整
◆アラカン・セブ(Around60・70)世代
加齢および糖化による老化の進行への対処が重要な世代。また、体を動かす機会が減り筋肉が硬直、 血流も衰え…身体がだるい・重い・痛いなど日常生活に関わるトラブルが頻発します。ストレッチなど を駆使し血流や老廃物が停滞しないよう土台をリノベーションしていくことが必要です。
ポイント:抗糖化/年代から来る衰え(ハリ・しわ・弾力)への対処/循環環境の調整

今、日本は世界の長寿国の筆頭であり、自立して生活できる健康寿命は「世界一」です。
そして、50代60代の方々が消費経済を大きく左右し、その方々とどう向き合うかが各業種にとっての課題です。

「エステティック業はその最たる業種です。」